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その他

外国人材と企業をつなぐ架け橋に。夢への挑戦、日本で始動

物流ウィークリー:12月1日号(記事転用)
「躍進する女性陣」第882回

外国人材と企業をつなぐ架け橋に。
夢への挑戦、日本で始動

SHUUEI ブンソン カンヤーナットさん
SHUUEI ブンソン カンヤーナットさん

物流コンサルティング事業や特定技能外国人紹介事業などを行うSHUUEI(菊地賢一社長、東京都墨田区)で働くタイ出身で26歳のブンソン カンヤーナットさんは、来日からもうすぐ1年を迎える。今年1月に入社し、営業や通訳、さらに勉強会の講師として幅広く活躍している。

子供のころから日本の文化に慣れ親しみ、大学では日本語学部に進学。留学を予定していたが、新型コロナウィルスの影響で断念せざるを得なかったという

大学卒業後はタイの日系企業に就職し、日本人上司とタイ人スタッフの間に立って通訳業務を担当。それでも「いつか日本で働きたい」という夢を諦めず、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得し、昨年12月に念願の来日を果たした。

現在の担当業務は、特定技能外国人受け入れ事業の営業や提案活動。「営業は未経験で最初は自信がなかった」と振り返るが、今では顧客への提案にも積極的に取り組んでいる。

またブンソンさんは特定技能の評価試験に臨むタイ人向けのオンライン勉強会も担当する。教材は、自らがタイ語に翻訳したオリジナルテキストだ。

「わき見、車間距離など、日常会話では使わない日本語が多い・左折・右折のような表現も繰り返し強調して教えている」。その努力のかいあって、受講者の多くが試験に合格したという。

日本語とタイ語を交互に読み上げた学習動画を作成・公開したり、テキストをグーグルドライブで共有したりと、学習環境の工夫も怠らない。

一方で、業務の中で苦労を感じることもあるという。「ビジネスメールの書き方や名刺交換の作法、敬語の使い分けがとても難しい・タイでも礼儀は大切だが、日本ほど厳密ではない。正しいか、いつも不安になってしまう」。それでも「特定技能として来日するタイの方々やお客様など、多くの人々と交流できるのが楽しい」と笑顔を見せる。

「運送業界では特定技能の受け入れ実績はまだ少ない。だからこそ、事業者の方が納得できる提案をしていきたい」と意欲をかたるブンソンさん。「日本で生活することは日本語力を高める一番の近道・もっと会話の機会を増やして上達したい。将来はタイに戻っても、日本と関わる仕事をしたい」と将来の展望を描いている。

(記事:越後桃子)